以前、デイトレードを副業としてやっていけないか、試しに実践していたことがあります。
単刀直入に言いますが、ほとんどの人におすすめできないです。
その理由について実体験を踏まえた解説をしていきます。
もし「トレードで収入を得ていこう」と考えているのであれば、本記事をお読みいただき、参考にしてみてください。
数多くある副業の中でデイトレードを選んだ理由
まず私がデイトレードをやってみようと思い立った最も大きい理由は、人と接することなく稼いでいけるからです。
(公務員だったので、事業とみなされないものをやりたかったことも理由としてあります)
ビジネスをする上で、大抵の場合、顧客との取引が必須となります。
しかしデイトレードなら誰とも関わることなく稼ぐことができます。
端的に言えば、取引画面を開き、タイミングを見極めて注文し売り買いを繰り返していくだけですからね。
専門的なスキルも不要、場所を選ばずどこでもできる(なんならスマホでもトレード可能)ので、手っ取り早く収益を上げていけるのではと思ったのです。
実際に株式やFXでトレード→勉強して挑んでも、結局負ける
最初は個別株投資にチャレンジ
当時の「つみたてNISA」や「ideco」、米国株ETFで幸いにも損益がプラスになっていて配当金もちょっとずつ増えてきていたので、投資信託や株に興味を持ち始めていました。
個別株はうまくいけば、投信以上の増益を見込めると聞いていたので、とりあえず本を読んでどの企業の株を買うか選定し、個別株投資をやってみました。
結果は…思ったより株価が動かなかったと理由で、撤退してしまいました。
本来、初心者が個別株投資でデイトレードなんてできるもんじゃありませんが、ちょっと本をかじったぐらいの知識ではそれすらも考えが及ばなかったようです。
とにかく早く収益につなげたかったので、非常にもどかしさを感じておりました。。。
国内業者のFXに切り替える
株からFXに変えた理由は
- 「買い」だけでなく「売り」(簡単に言うと…高値で売って安くなったら買う)でも利益を上げられる
- 平日24時間取引できる(日本株は平日9時から15時30分)
要は、トレードのシナリオ作りや時間の面で制限が少ないので、株よりも取り組みやすいと思ったからです。
ここで収益が出て、ビギナーズラックが起こってしまいました。
一度勝つと、「これいけるんじゃない?」と心のどこかで思い込んでしまいます。当然罠です。
世の中には凄腕の億万長者トレーダーがいますが、この方達は相場に渦巻く人間の心理を理解し、自分の感情も乗り越えて確固たるトレードスタイルを確立した上で収益を出し続けています。
初心者が一度勝ったくらいで、その境地に立てるわけなんてありません。
たまたま運が良かっただけのことです。
こうしてどんどん調子に乗っていきます…
効率的に収益を出そうと思い、海外業者のFXに切り替える
海外業者は、(詳細は省略しますが)国内では禁止されている高レバレッジで取引することができます。
また、ロスカットしても追証が出ない(ゼロカット)業者も多くありますので、私は国内業者に見切りをつけてその海外業者の口座を開設しました。
「追証」の意味については、以下に引用を掲載します。
「追証(おいしょう)」とは「追加保証金」の略称で、委託保証金を追加で差し入れなければならない状態のことです。買い建てまたは売り建てた銘柄の含み損、担保にしている株の値下がり等によって委託保証金率が下がることにより発生します。
引用元:SMBC日興証券
「利小損大」のトレードになってしまい、トータルで損失に
FXのトレードをやりながら、関係書籍を何冊か読みあさっていました。
ほとんどの書籍に共通して書かれていることの中で、印象深かったのが「リスク管理(損切り)を徹底する」ということ。
つまり「勝ち負け(勝率)より、損切りしなければならないところできっぱり損切りすることの方が重要。損切りができれば、資金を枯渇させて相場から退場を余儀なくされるリスクはかなり小さくなる」ということです。
リスク管理。これが、頭で分かっていてもできない…
損失が想定以上に膨らみ、本来損切りしようと思っていたラインに達しても、
「どうせまた持ち直すだろう」
「初心者の予想なんて当たらない」
と思い、回復を期待してそのまま放置してしまいます。
結果、反発することはなく、さらに損失が大きくなります。
最終的には、損切りはできずロスカットを喰らうか、損切りできてもかなり大きい損失を受け止めることとなります。
今までコツコツ貯めてきた利益も全て水泡に帰することに。
人間は、「得する」よりも「損しない」ことを優先する傾向があるそうです。
私も例外ではありませんでした…
一方、利益が出てきた時は、直ぐに利確ポイントまで達してくれれば良いのですが、一旦停滞することがよくあります。
早く利益確定したいのにまだできない…待つのはなかなかしんどいのです。
少し押し目が出てしまった時なんか「ああ、もう無理だ」と思って微妙に利益が出た状態で決済してしまいます。
(その後持ち直して、当初の利確目標をスルスル抜けていったときは悔しいですね〜)
勉強して理解しても感情に勝てず、上記のようなトレードを何度も繰り返してしまうため、損は大きくなり利益はちょっとだけ…
理想とは正反対の、「利小損大」のトレードスタイルが出来上がってしまうのです。
結果、最小ロットで試行錯誤しているつもりだったにもかかわらず、合計で約12万円の損失となりました。
リスク管理を徹底できて、ようやくわかった事
痛い損失を出しながらも、ある時やっと「損切りするところは絶対にする」を徹底できるようになりました。
(トレード始めてから2年近く経過した頃です。。。)
トレード1回あたりの時間も制限しました。
確かに、以前より損失を低く抑えることができるようになります。
トータルで見れば利益が出ている日も増えてきました。
「今日はプラス数千円…調子いいぞ!」
しかしある時、ふと考えが頭をよぎりました。
「これって労力に見合わなくない?投資ってそもそも余剰資金でやるものだけど、リスク管理した状態でのトレードでは生活できるだけの金額は稼げないのでは?」
良いポジションをとるためには、長時間チャートを見続けなければなりません。
隙あらば、出先でもスマホで欠かさずチェックです。
これで多くの時間が消費されました。
また、練習段階でプラス数千円ということは…毎日1万円近く安定的に出せるのであれば、ギリギリ生活していけそうですが…
損失が出る日もある中で、リスク管理もしながら…となると、もっと多くの資金が必要となります。
生活していくだけのお金を低リスクで稼ぎ出していくには、最低でも数百万円の「余剰」資金を、0円になっても許容できる覚悟を持ってトレードに挑まなければなりません。
一庶民の私は、数百万円の余剰資金なんて…当然持っていません!
トレードは副業にできない!(結論)
以上の経験をもちまして、トレードを副業にするのは難しいと判断しました。
(気付くまでの期間長すぎ)
トレードを副業におすすめできない理由(まとめ)
- 利小損大のトレードに陥り、稼ぐどころかお金を失う可能性が大きい
- 勝っても負けてもチャートを見続けるのが精神的につらい
- チャートを常に監視していなければならないので、時間拘束される
- リスクを抑えたトレードで生活費を稼ぐには、多額の資金が必要となる
「トレードをおすすめしないのであれば、どんな副業をすればいいの?」という話になってくるでしょうが
チャートと睨めっこして一喜一憂している時間を、スキルを磨く時間に変えるか、採算度外視でもビジネス実績を作る時間に変えるのが最善と思います。
そうすれば、長い目で見ても失うもの(リスク)を抑えつつ大きな成果を生み出す可能性が高い、ということです。
やっぱりこういう結論になりますね…楽に稼ぐ方法は無いのか〜。
それでもトレードに興味を持っちゃった、というのであれば、やってみるにしても「趣味(遊び)として割り切って、最小ロット・最小レバレッジでやってみる」なら有りだと思います。
パチスロよりは良いかもしれません(家でこっそりできるし)
今回は以上です。
お読みいただきありがとうございます。