- 頑張りすぎて、疲れが取れない気がする
- よくある自己啓発本はどうせ実践できないので読みたくない
- うつ病じゃ無いけど、その気がある感じがする
そんな時に読んで欲しい本をご紹介します。
書籍について
今回題材とするのは「うつ病で20代全部詰んでたボクが回復するまでにやったこと」という本です。
(うつ病になっていない人、20代以外の人が読んでも全く問題ありません)
「うつ病で20代全部詰んでたボクが回復するまでにやったこと」をAmazonで見る
この本は、本来であれば「本を読む気力はあるが、うつ病の治療中の人」向けなのかもしれません。
しかし、上に書いた通り、うつ病と診断されていない人にも読んでタメになる部分が多くあります。
文章が全体的にやさしいので、なんとなく読んでいても頭に入ってきやすいです。
内容について
冒頭部分では「うつ病回復までの過程」について書かれています。
次に、気持ちが鬱っぽくて辛いと感じている時に、楽に考え生きていくためのコツなどが50項目に分かれて説明されています。
この50項目を順番通り読む必要は無いと思います。まずは目次を見て、気になるところだけ読んでも良さそうです。
無理に何かを新しく習慣にしなくてOK
自己啓発本の大半は「〇〇をすると症状が治った」といった、何かを普段の生活にプラスすることで状況が改善されるからやってみてほしい…みたいなことが書かれています。
しかし、こういったことは大体習慣づけるまで何日も意識していなければならないのです。
できない日もあったり、いつの間にか忘れてしまっていたり…で、結局習慣化できずに終わってしまうことがほとんどです。
しかし、この本では「〇〇はしない」といった、引き算形式のことが多く書かれているので、実践に対するハードルが低く抑えられるのでは無いかと思います。
例えば、以下のような感じです。
- 部屋は片付けたくなければ片付けない
- 朝散歩はしなくていい(なんなら夜中でもいい)
- 感情をコントロールしない
- 仕事では、頼まれた以上のことをやらない
…なんか割とできそうなことばかりですよね。
ただ、特に職場にいる時は「それをやるのはまずいんじゃないか」と思うかもしれません。そういう場合の対処方法についても記述されています。
上記の「感情をコントロールしない」を具体例にあげると、仕事をする上で不安やイライラなどのマイナスの感情ができてしまった時は、直接の原因(同僚、上司など)に吐き出すのはやめて、親しい人に話を聞いてもらったり、趣味やすぐできる運動で発散する。とにかくいつまでも我慢して抱え込まないようにすると良いです。
(↑「そりゃそうじゃん」「前に聞いたことあるよ」と思うかもしれませんが、頭で理解しているだけで実行できていないのかもしれません。それに気づいて今後はやるように心がけていくのが案外重要かもしれないと思いました)
特にやってみたい(やめよう)と思ったこと
本の内容を振りかえり、個人的に今後やってみよう、あるいはやめようと思ったこと、強く共感できたことを以下にまとめます。
「サブキャラ」として生きる
「誰もが羨むような華やかな人生を送りたい」
「歴史上に名が残る、偉業を成し遂げた人物のようになりたい」
それ以外の平凡な人生はつまらない…
特に子供の時、「将来の夢」など聞かれて、一度はこんなことを考えたかもしれません。
「平凡な人生」は本当につまらないのかというと、そんなことはありません。むしろ些細なことにでも楽しさや幸福感を得られる。そして身近な人の助けになることで自分自身の生きがいにもつながる。そんな一見目立たない「サブキャラ」のような人生こそ尊いものだと説いています。
平凡であれば、ちょっとしたことでも幸福感や満足感を得られる、というのは非常に共感できました。
私自身も以前、どこかで「普通に生きる勇気を持て」という言葉を聞いたことがありますが、それと近い意味合いを持っているのかも…。
仕事をがんばらず、休むのをがんばる
本では、仕事よりも休むことの方が絶対大事といった趣旨を伝えています。
「いかに仕事をサボって休むことに意識を向けるか」について、関連しそうな項目がいくつもありました。
「休日は休めている」「睡眠時間を確保できてる」つもりなのに、なんだか疲れが取れない気がする、いつも眠い…といったことを感じるのであれば、自分で思っているよりもきっと頑張りすぎています。
あるいは、無意識のうちに嫌なことについて考えてしまい、心身に負担をかけているかもしれません。
「やり過ぎでは」と感じるくらい休まないと、本当に休息は得られないのだと思います。
「休む」ことについてのやってみたいことを、いくつか項目分けしてみました。
考えない時間をつくる
思考することが脳をフル回転させることなので、疲れにつながります。脳を回復させるには、単純ですが何も考えない時間をつくるのがいいようです。
じっとしているのが難しいなら筋トレをしたり、ひたすら数字を数えたり、テトリスなどの単純なゲームをするだけでも効果はあるとのことです。(テレビやスマホをダラダラ見るのは情報がたくさん入ってくるのでNG)
何も考えないのは最初は難しいかもしれないので、最低限「ネガティブなこと」や「同じことを繰り返し考える」のはやめるようにしましょう。無駄な脳の疲れを軽減することができます。
暇を埋めることを見つける
「ふと嫌なことや人を思い出してしまい、気分まで悪くなった」
「せっかくの休みなのに仕事のことを考えてしまう」
こんな経験はないでしょうか。
なんでこの現象が起こってしまうかいうと、ズバリ「暇だから」だそうです。
こう言う時は、考えているだけで楽しいことや没頭できることなどを実行に移して、嫌な感情はすぐに忘れてしまうクセをつけると良いとのこと。
私の場合は、今後の楽しみにしている予定(旅行・レジャー・会食など)について考える、好きなアニメやドラマを見る、創作活動をする(構想を練るとか妄想だけでもいい)…など試してみましたが効果ありでした。
他にも、ゲームをする、推し活や人と何気ない会話を楽しむ、なんかも良さそうですね。
「今それどころじゃ無い」を口癖に
私の方で一つ補足したいことがあります。
やりたいことがすぐに思いつかない時や、やることはあっても嫌なことが頭から離れない、また思い出してしまった…となってしまう時もあると思います。
そう言う時は緊急時のことを想像してみてください。例えば、トイレに行きたくて仕方ない時や、電車やバスに乗り遅れそうな時のことなんかです。
こんな状況下で不安なことを考えていられるでしょうか?それどころじゃ無いですよね。
頭の中で「今それどころじゃ無い!」を連呼することで、不思議とさっきまでの余計な考えが頭から取り払われます。
(その後に深呼吸すると、さらに頭の中がスッキリしやすくなります。おすすめです)
休みの日は仕事のことは一切忘れて、やりたいことや好きなことに没頭すると疲れにくくなります。
疲れにくくなれば仕事の時もパフォーマンスが上がります。やっぱり切り替えは重要なのですね…。
大切な仕事以外はリラックスモードで取り組む
ビジネスパーソンのやりがちな「評価されたいからメイン以外の仕事も全力で取り組む」というのは、疲れを蓄積させていく行為だとのことです。
失敗してはいけない仕事は120%の集中モードで取り組み、誰でもできる仕事や優先度の低い仕事は30%くらいの力でやる。
つまり仕事を「メイン(頑張ること)」か「その他(頑張らないこと)」に分けてメリハリをつけて取り組むと疲れにくくなり、仕事のパフォーマンスも下げずに済みます。
とはいえ、頑張っていないところが周囲に把握されると「サボっているのか?」と思われそうで心配かもしれません。
でもメインの仕事さえ全力でやっていれば、案外周囲からの評価は下がらないものです。
極端な例えをすると、「普段はパッとしないけどやる時はやる人」って漫画のキャラクターにいたら嫌われるどころか人気出そうですよね。そういうことだと思います(?)
おわりに
以上、本の内容の中でも重要だと思ったところをピックアップしてきました。
総合して、良書だと思います。
…が、私のような凡人の中の凡人(加えて捻くれ者)には、疑念が1つだけあります。
それは、「この著者は自覚していないだけで実は非凡なのでは?」という点です。
- 読みやすい文章を書かれており、このような本を出版していること
- 「凡人」と名乗っているにしては、すごい経歴が垣間見えること(海外留学、ゲームの県大会で優勝、週2バイトのセールスで結構な売上を叩き出してしまった…等)
上記のように、割とキラキラしてる要素があるんですよね…。(そう思うのは私だけでしょうか)
でも実際本を読むと、共感することばかりです。上から目線のいやらしさみたいなものは全く感じませんでした。
粗探しするだけ無意味なんですよね、反省!
作者だからうつ病から立ち直れたというわけではなく、この本に書かれていることやってみる価値は誰にでもあると思いました。