簿記は「経理職への就活に役立つ」とか、「マネーリテラシーが高まる」とかで「とりあえず取っておいて損はない資格の代表」のイメージがあります。
というわけで、過去に日商簿記3級に合格していたのですが、しばらくは活用できる機会がありませんでした…
家計簿もアプリでつけているし、内容も単式簿記のようなものだから、
わざわざ複式簿記なんて勉強する必要もなかったのでは…資格にかけた時間は無駄だったかも…
と思っていたのですが、ある場面で使うことに。
それは事業(副業)を始めた最初の年の確定申告(青色申告)です。
簿記3級の知識があったおかげで、初めてでも余裕を持って青色申告をすることができました。
申告期限の3月15日前後に寝る間を惜しんでe-Taxの画面と向き合わなければならない事態は避けられたのです。
青色申告について
事業所得の申告は「青色申告」か「白色申告」を選択して行いますが、長期的に見れば青色の方が色々とメリットが大きいです。
最大のメリットは、青色申告特別控除を最大65万円受けられることでしょう。
(まぁ私は赤字だったのでまだ関係ないんですけどね…!)
しかし青色申告は複式簿記でなければならず、複式簿記を自力でするには簿記の知識が必要不可欠。
そこで、簿記3級の出番ですよ!
事前準備しておいた方がいいこと
自分で申告できるとしても、やること自体はまあまあ有るので、申告の時期になると慌てそう…
ということで、事前にやれることは申告時期を迎える前にやっておきました。
開業届と青色申告承認申請書を提出する
営業所得を申告書に書く(青色申告決算書を提出する)には、事前に開業届と青色申告承認申請書を提出する必要があります。
提出期限は基本的には申告期限と同じ3月15日と覚えていれば良いです。
税務署に行くか郵送して提出してもいいですが、マイナンバーカードとスマートフォンがあれば、両方ともe-taxから提出可能。
帳簿作成するツールの用意
ネット上で探せばいろいろ便利なものがあるかもしれませんが
私は、個人の方が配布されているこちらのgoogleのスプレッドシートで使えるマクロ付きのツールを使用しました。
Googleスプレッドシートで無料でできる青色申告【e-tax確定申告】【複式簿記】
このツールは、仕入が発生する事業はあまり向いていないようです
ここまでそれとなく、紙ベースよりe-Tax(電子)での提出を推し進めているような書き方をしてきたのは、この無料ツールがe-Tax用だからです。笑
レシート(領収書)、請求書を集めておき、都度帳簿にまとめておく

初めて青色申告をやってみて、主に反省したことが…
日頃から、まめにレシートを整理したり帳簿をつけたりするクセはつけておいた方がいいです。
これらの書類を準備して仕訳帳に記録するのは、申告時に一気にやろうとすると時間もかかって疲れます。
なかなか時間も取れず面倒だったりすると思いますが、週1回や月1回、作業する時間を設けるべきですね。。。
簿記3級の知識で申告の帳簿作成が無料でできる
上記のツールを使えば、一番難易度の低い簿記3級の知識でも、e-Taxで青色申告をすることは可能でした。
厳密に言えば、つまずくことがあっても自力で解決まで辿り着くことができるだけの知識があるため、青色申告も自分でできた、という感触です。
この作業、簿記にノータッチの人ならば「仕訳?家事按分?決算?なにそれ?」というレベルなので、分からないことがあってもそれを言語化できず、どうやって調べたらいいのか、何をキーワードに検索すればいいのかも分からず詰む要因になりかねません。
それ以前に、そもそも経費のレシートを保管していない等の「やらかし」もあり得そうですからね…
簿記3級を勉強していれば、帳簿をつけて損益計算書と貸借対照表をつくり青色申告決算書を作成するまでの一連の流れは理解できているわけなので、会計ソフトを使わずとも、無料ツールの力だけでなんとかなる可能性が高いのです。
赤字の状況下では、会計ソフト代など少しでも節約できるのはありがたい!
【副業の場合】収入の少ない1年目から確定申告する必要ってある?
副業として事業をやっている場合、事業所得が20万円以上なら確定申告しないといけません。
事業開始年度の多くの人に当てはまりそうなので記載しますが、では所得が20万円以下なら、申告は不要なのか?という疑問がでます。
これは人によると思います。
私の場合、事業所得は赤字になるのですが、給与所得もあったため当然そこから税金が引かれているので、赤字の事業と相殺して少しでも取り戻せるのでは…と目論んだわけで、申告することにしました。
また青色申告の場合、事業所得の赤字を最大3年繰り越せますので、2〜3年目黒字になった場合にその赤字の分だけ所得を減らせるのです。
あとは、青色申告決算書を作成する「練習」のつもりでやってみたかったのもあります。
2年目以降は帳簿がもっと複雑化したり、内容が多くなったりするかもしれないので、今のうちに慣れておきたいと思っていたためですね。
【補足】読んでおくといい書籍
ここまで「簿記3級の知識が事業開始して初めての青色申告に役立った」ことについて書いてきました。
簿記3級や、確定申告・青色申告の詳細をもっと知りたくなった人もいると思います。
実際に読んでわかりやすいと思った本を以下に紹介しますので、ぜひご参考に!
簿記3級の内容についての書籍
簿記3級の勉強にはこちらの電子書籍を使用しました。
今でも、内容を思い出したい時に使っています。
文章がかな〜り噛み砕かれていて、勉強に苦手意識がある方にも寄り添っている感じが伝わってきます。
これと問題集で、日商簿記3級が合格可能でした。
事業(副業)の確定申告についての解説書籍
お金のこと何もわからないままフリーランスになっちゃいましたが税金で損しない方法を教えてください!
確定申告(税金)対策のためにはこちら↑の本が特におすすめです。
確定申告、青色申告を提出するまでの流れとやっておくことも詳しく書かれていますので、申告が初めての方は、これ1冊持っていれば安心できると思います。
会社員を辞めてフリーランスになりたい(なった)という人をターゲットにしているようですが、本業を退職するまで考えていなくても副業の申告したい人が読むにも最適です。
漫画形式なので読みやすく、誰でも理解しやすいです!
今回は以上です。
お読みいただきありがとうございます。
余談ですが、初めての青色申告で一番つまづいたこと…
それは「開業費」は「費用」ではなく「資産」ということです。
しかも繰延資産として償却できます。
私はこれにすぐ気づけず苦労しました。
誰かにとってのヒントになるかもしれないので書いておきます。