ストレスは「害悪」「無ければ無いほど良いもの」とこれまで常識のように思っていました。
おそらく色々な場所で見かける定説を、知らず知らずのうちに信じ込んでいたからだと思います。
著者は実際のところ、ストレスの原因となるような出来事に直面すると、お腹が痛くなったり気分が悪くなったりするんですよね…
この思い込みを覆して、「ストレスは良い面もあって役立つもの」と考えられれば、人生の満足度が高まり、生きやすくなる気がしませんでしょうか。
そう思わせてくれるきっかけとなった本がありますので、内容のアウトプットと感想をまとめておきたいと思います。
参考になれば嬉しいです。
書籍について
今回題材とする本は「スタンフォードのストレスを力に変える教科書 」です。
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以前、職場の上司がこの本を薦めていたので、読んでみることにしました。
すると案外知らないことが多く、「そういう視点もあるのか!」と気づきが多かったのです。
内容自体すごい難しいというわけで無いのですが、そこそこの長さで情報量も多いので全て噛み砕くのには時間がかかります。これから概要をかいつまんでいきたいと思います。
ストレスフリーの人生は有り得ない
持論ですが、生きていく上でストレスは絶対に避けられないでしょう。
例えば、人が社会と関わる主な場として「職場」や「家庭」が挙げられます。
職場で感じるストレスは、極論を言えば、辞めてしまえば解放されますよね。
ですが、辞めた当初は自由を満喫できていても、次第に社会から離れているような疎外感を感じてきます。
退職後、自分は社会のお荷物だ…などと考えて鬱っぽくなってしまった人の話をよく耳にします。
家庭の場合は、大抵の場合職場よりも離れにくい人間関係なので、ストレスとも密接に関係しやすいです。
現在は家族仲が良くストレスを感じにくい状態であったとしても、事故・災害などの突然の出来事や、冠婚葬祭・相続などの将来的なイベントが、思わぬストレスの要因となることも考えられます。
このように、今はストレスがほぼ無い状態であったとしても、死ぬまでにストレスを感じる瞬間は必ず何度か訪れるものだ、と考えます。
ストレスは、「無くす」のではなく、「うまく付き合って利用する」方向に考えていく方がずっと現実的です。
これは書籍にも書かれていることで、私も賛同しました。
ストレスには良い面もある【研究による事例有り】
本の内容が長いので全部をまとめるのは割愛しますが…。
ストレス対策する上で、これだけは覚えておきたい!と思ったことを箇条書きします。
- ストレスには良い面があると思い込むだけで、実際に良い影響がある
- 日々大きなストレスを感じている人や忙しい人には、幸福度が高く健康的な人が多い
(=ストレスの無い生活が幸せな生活とは言えない)
最初の「ストレス=良いもの、と思い込むだけで本当に良くなる」という根拠についてざっくりと説明すると、
「ストレスは体にいい」と思いこむと、実際に体に良い影響を及ぼすホルモンが分泌されたという研究があるとのことです。
良い影響とは、主に
- 勇気が高まり行動に移せる
- 集中力が上がる
- 利他的行動に出る(他者を思いやる、協調する)
…といったこと。
上記のように、自身の能力を引き出し成長させることが数々の事例によって説明されています。
つまりストレスによる成長経験が生きがいにも繋がり、結果としてストレスが多くても幸せ(生きがい)を感じられている人がいる、と考えられそうですね。
ストレス反応が与えてくれる効果についての研究事例がたくさん紹介されていますので、気になるのであれば本を一読してみて欲しいと思います。
場合によっては、「ストレスは害」という認識は捨てなくていい
いくら「ストレスには良い面もある」という根拠を示されたからといって、ストレスとその反応は全部「善」!…という考えにいきなり改めるのは難しいと思います。
- こちとら何年も生きているのに、そんなに簡単に実践できたら怖いものなんてないんだよ…
- あまりにも大きなショックを受けた時とか、ストレスが重すぎる場合は、さすがに良い面なんて無いのでは?
↑こういった疑問が生じていると思いますが、それについての対処も記されていました。
重要なのは、ストレスがもたらすものが「善」か「悪」か、0か100かの極端な考えをしないということです。
ストレスを害と感じるようなマイナスの感情も一旦受け入れ、同時に自分にとって役立てられる要素がないかを考えてみます。
具体的には、とりあえずストレスの原因となる事態に直面したら「ストレスなんて感じるな!」と否定するのはやめて、「大切なことだからストレスを感じているんだな…」と、ストレス反応を受けとめる。
それから「目標のために次にする行動は何か」と考えてみると、ストレスに負けずに勇気を出して対応しやすくなるようです。
ストレスを「利用する」考え方にシフトする方法
ここまで、ストレスには良い面もあると分かりました。
とは言っても、いきなり良い面を探しても難しいと思われるので、本ではいくつかのエクササイズに取り組むことを勧めていました。
確かに、鼓動のドキドキを強く感じたり、緊張してしどろもどろになったりすることに何のメリットが…?と思うんですよね。
以下に、エクササイズの中でも実践しやすいと思ったものをまとめていきます。
不安を感じたら「興奮している」と言い聞かせる
ストレスを感じたら抱く感情で、最も多いものの一つに「不安」があると思います。
パニックになりそう、お腹が痛くなってきた、緊張する…という感情を、無理に「落ち着け!」と言い聞かせて止めようとすると、かえって焦りを生む原因に。
そうではなく、「興奮して、実力を発揮しようと体が備えているのだ。これは良い反応だ」と自分に言い聞かせるようにします。
いい反応が体に起こっていると思い込むだけで、自然と勇気や行動力が湧いてくる…といったことが本にはありました。実践する価値はありそうです!
1日1回、人の役にたつ
1日に1回は、誰かの役に立てる行動をとるようにします。
これは、上記に掲げた「ストレスによる良い影響」のうち「利他的行動」を自分で引き起こす練習をする、と私は解釈しています。(違ってたらすみません…)
そんな暇ない、忙しい…と思うかもしれませんが、本当にちょっとしたことで良いとのことです。
(ただ、できれば毎日違うことに取り組むのが良いようです)
仕事を手伝うといった作業的なことに限らず、話を聞いてあげたり、感謝の気持ちを伝えたりするとかでもOK!
ストレスとうまく付き合うために、思い込みの転換とエクササイズの実践を!
以上、書籍「スタンフォードのストレスを力に変える教科書 」についての内容と感想をおおまかに述べてきました。
ストレスへの対処を、「ワクワクすること」「自分が成長できること」と捉えられれば最強ですね。
ただ、本を一度読破しただけでは、なかなか知識が身につきませんでした。
知識を定着して実践にうつすには何度か見直す必要があるので、定期的に気になるところを読み返してみようと思います。
ここまでお読みいただきありがとうございました。