- 色彩検定って、せっかく合格できても使える場面が無いのでは意味ないんじゃ…資格コレクターにはなりたくない。
- 色彩検定の公式サイトとかを見ていると何となく興味を惹かれるけど、実際のところどうなんだろう?
色彩検定、気にはなっていても受検するかどうか迷っていませんでしょうか。
資格の勉強をするのは時間的にも労力的にも大変ですので、勉強に時間を費やしてから「やっぱり必要なかった!」と後悔したくないですよね。
学習する前に「どんなことに色彩のスキルを役立てたいか」を考えておくことは大切だと思います。
今回は、色彩検定を学習するメリットと、メリットを特に強く感じられる人の特徴について解説していきます。
著者自身が色彩検定2級を合格した経験があるので、それに基づいての説明となります。
色彩検定とは?
色彩検定は、色に関する幅広い知識や技能を評価する文部科学省後援の公的資格試験で、1級、2級、3級、UC級の4つのレベルがあります。
出題範囲と難易度
- 3級
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色彩の基礎知識を問う内容で、初心者向け
- 2級
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3級の内容に加え、実務に関連する知識が求められる
- 1級
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高度な専門知識と実技能力が必要とされる最も難易度が高い試験
- UC級
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「色のユニバーサルデザイン」に関する知識を評価する試験で、比較的難易度は低め
各級の合格率は、年によりばらつきがありますが、3級が約70~80%、2級が約60~70%、1級が約40~50%です。
色彩検定を勉強すると色のスキルが「理論」で身に付く
色彩検定を学習すると、感性や経験によらない「色についての理論の土台」を身につけることができます。
日頃、衣服・住宅・車・商品パッケージなどの、あらゆるモノの色彩を目にして、「この色合いは素敵だな」とか、「センスがいい色の使い方をしているな」と思ったことは無いでしょうか。
こういった時、どうしてその色づかいで心を動かされるのか、言葉で説明できますか?
おそらく難しいと思います。
大多数の方が「何となく…」と答えてしまうでしょう。
色彩検定では、その「何となく」の部分を言語化できるようになります。
色づかいは、センスや経験よりも一定の法則(ルール)に従う方が重要であることが、学びの中で自然とわかってくるのです。
色彩検定を受けるメリットが大きい人
ここから本題です。どんな人が色彩検定を受けるとメリットを享受できるのでしょうか?
結論から言えば、色彩検定の知識は
- 絵(イラスト)を描く人
- デザイン(webデザイン)を勉強している人
- ファッションやインテリアのコーディネートに活かしたい人
にとっては、役立てられる場面が特に多くあります。
以下より詳細について解説していきます。
①絵・イラストの制作

絵の制作において、色彩検定の学習を通じて表現力の向上や作業のスピードアップが期待できます。
例えば、検定の出題範囲の一つに配色技法(色の組み合わせ方)があります。
創作において配色を考えることは不可欠です。
配色技法を勉強すれば、作品に合った配色を考え出すのが容易になり、創作の幅が広がることにつながります。
また、アイディア出しに悩んだりする時間の短縮にもつながるでしょう。
つまり学習前と比べて、レベルの高い作品を短時間で生み出していけるようになるとも言えるのです。
②デザイン分野
印刷物、Webサイト、フラワーアレンジメント、料理の盛り付けやお菓子、テーブルコーディネート等におけるデザインの構想を練る上でも、色彩の知識は重要になってきます。
例えば、印刷物は紙に出力する際にカラープロファイルなどの知識が求められます。
Webデザインでは、ターゲット(Webサイトを見にきた人)にどんな印象を与えたいかで、使うべき色の種類、数、比率が変わってきます。
そこで配色の知識が重要になってきますし、顧客にデザインを提案する際にも説明がしやすくなるでしょう。
フラワーアレンジメントにおいては、花をより美しく見せたり、ストーリーを表現したりするにあたっても色は欠かせない要素となります。
食べ物を美味しく見せたり、配膳の仕方を工夫したりする上でも色の知識は必要不可欠です。
デザインと言っても様々な分野がありますが、どれも色彩と強く関係がありますので、色彩検定で得られるメリットは大きいでしょう。
②ファッション・インテリア

色彩検定を勉強して得た知識は、ファッションやインテリアのコーディネートに活かすことができます。
これが、色彩検定を絵やデザイン関係の人以外にも広くおすすめできる理由です。
服や住まいは全ての人に欠かせないものだからです。
例えばファッションにおいては、毎日出かける前に着る服を合わせるときに色の知識が役立ち、表現したいイメージに近づけることが容易になります。
メイク・ヘアカラー・ネイルの色を決める際や、服装も合わせて総合的に見てどんなファッションにしたいか考える時にも同様に役立ちます。
部屋の模様替えにおける家具・インテリアの選定や配置においても、同様に役立てることができます。
インテリアをどんな配置にするか、ということだけでなく、それぞれの部屋の目的に沿った空間にするために色の知識は重要になってきます。
やるからには「1級合格」、目指した方がいいの?
1〜3級とUC級といった、多くのランクが用意されている色彩検定。
当然、1級が最も難易度が高く、合格した暁には誰かに自慢したくなること間違いなしです。
色彩検定のことを知らない人でも「なんかスゴい!」と褒めてくれると思います。
では2級以下しか合格していないのは不十分なのかというと、全然そんなことはありません。
試しに受検してみたいと考えていたり、趣味の延長や生活に色の知識を活かしたいと考えているのであれば3級で十分ですし、仕事で活躍していく上で色彩の知識が必要だと思うのであれば2級を目指すと良いでしょう。
色彩検定は就活でアピールポイントになる?
色彩検定は就活で役に立つのか、多くの人が気になっているところでしょう。
正直なところ、就活では履歴書・職務経歴書に書いてもアピールポイントになりにくいと思われます。
(評価してもらえるとしても、アート・デザイン・ファッションに関係する業種等に限定されます。)
それ以外の職種では、色彩検定について採用側にそもそも認知されていない事が多いです。
「色彩検定?どういう資格だろう。まあウチではそんなに必要でないだろう」と思われて終わることがほとんどです。
「自発的に勉強して資格を取得した」という努力と成果を評価してもらえるかもしれませんが…
色彩は仕事をする上では幅広く活用できるスキル

就活ではあまりメリットを感じない色彩検定ですが、仕事をする中においてはスキルを活かせる場面が多いです。
例として、
- パッと見てわかりやすく、訴求力もある資料を作成できる
- ターゲットの目に留まりやすく、興味関心をもたせやすい広告物をデザインできるようになる
などが挙げられますね。
あまりパッとしないかもしれませんが、多くの業種で共通して使えるスキルだと思います。
色彩の有効活用を意識しながら仕事をしていけば、上司や顧客からの評価が上がることも期待できる…かも!
入門本を試しに読んでみるのもオススメ
色彩検定を勉強する前のお試しとして、入門本を読んでみるのもオススメ!
検定の公式テキストは読み物としても面白いです。しかしテキスト以外でも、色彩についてわかりやすく解説されている良書はたくさんあります。
私のおすすめは「色の事典 色彩の基礎・配色・使い方」、「決定版 色彩心理図鑑 」です。
検定の学習をするかどうか迷うのでしたら、一度読んでみても良いと思います。
そして「何だか面白い」「役立ちそう」と思ったのであれば、受検へ向けて勉強をはじめてみるのもアリですよ!
まとめ

- 色彩検定の知識は絵・デザインの制作、ファッションやインテリアのコーディネート等に活かせるメリットがある
- 色彩の知識があれば、日常生活に色をうまく取り入れられるようになり、生活の質の向上につながる
- 仕事においては、資料や広告物等の作成において色彩の知識を有効活用できる