「脂質制限をするメリットは何だろう?糖質制限とどっちが楽?」
「食事制限で、主食や甘いものが食べられないのは辛い。他にいい方法はないだろうか」
「糖質制限で痩せたけど、結局リバウンドしてしまった…」
脂質制限をすると体の調子が良くなるしダイエット効果もあるという話は聞いたことがあっても、本当なのか、具体的にどうすれば良いのかってわからないですよね。
最近は「糖質制限」の方がブームで、「とりあえず痩せたかったら・体調を整えたかったら糖質を控える」といった風潮があります。
私も以前は、糖質制限ばかりやっていました。
しかし、長期的な健康を考えた結果として今はゆるめに脂質制限を行う生活に落ち着いています。
当初は糖質制限による減量とリバウンドを繰り返して、ついに減らなくなった体重を元に戻すために始めました。
減量の兆しが見られるまでに1〜2ヶ月かかりました。
糖質制限よりダイエットの効果はすぐに出にくいものの、減量以外の面でのメリットが早く得られたため、モチベーションが切れることなく続けられました。
本記事では私の実体験から、脂質制限を糖質制限よりおすすめする理由をご紹介します。
脂質制限とは?
ここでいう「脂質制限」とは、「厚生労働省が定めている1日の脂質摂取量の目安(摂取目標量)を守ること」です。
つまり、制限と言っても「摂りすぎないようにする」ことを心がければ良いのです。
1日の脂質摂取量の目安(摂取目標量)は、総エネルギー(総摂取カロリー)の20~30%です。
1日どれくらい脂質を摂るべき?
では、具体的には1日どのくらいの脂質を摂ればいいのか?という話になりますが、
目安として、以下の表が参考になります。これを把握するだけでもOKだと思います。
性別 | 年齢 | 1日の脂質摂取量 |
男性 | 18~49歳 | 51~77g |
50~74歳 | 46~73g | |
75歳以上 | 31~47g | |
女性 | 18~49歳 | 38~58g |
50~74歳 | 37~52g | |
75歳以上 | 31~47g |
参考:https://h-jp.fujifilm.com/contents/supplement/yomimono/st-kiji002.html
上記の脂質量とともに、カロリー摂取量も守る必要があります。
以下の表を参考にどうぞ。
※ダイエットが主な目的なら、なるべく「身体活動量レベルⅠ」の範囲内を心がけるようにしてみてください。
性別 | 年齢 | 身体活動レベルⅠ | 身体活動レベルⅡ | 身体活動レベルⅢ |
男性 | 18~49歳 | 2,300kcal/日 | 2,650~2,700kcal/日 | 3,050kcal/日 |
50~74歳 | 2,050~2,200kcal/日 | 2,400~2,600kcal/日 | 2,750~2,950kcal/日 | |
75歳以上 | 1,800kcal/日 | 2,100kcal/日 | ||
女性 | 18~49歳 | 1,700~1,750kcal/日 | 2,000~2,050kcal/日 | 2,300~2,350kcal/日 |
50~74歳 | 1,650~1,550kcal/日 | 1,850~1,950kcal/日 | 2,100~2,250kcal/日 | |
75歳以上 | 1,400kcal/日 | 1,650kcal/日 |
参考:https://h-jp.fujifilm.com/contents/supplement/yomimono/st-kiji002.html
「もっと細かく計算したい」「計算の根拠が知りたい」という方向けに、具体的な計算方法の記事を作成しました。
【脂質制限】1日の脂質摂取量の目安は何g?計算方法について
脂質制限をするとこんな効果があった!
脂質制限を行ったことで、(糖質制限をしていた頃と比べて)主に以下のようなメリットを実感できました。
- イライラすることや気分の浮き沈みが減り、メンタルが安定した
- お菓子やジャンクフードを食べたいと思うことが少なくなった
- 定期的に発生するニキビが少なくなった(できても治るのが早い)
- 1日の摂取カロリーを少し増やしたにもかかわらず体重が減った
- 食べ過ぎて体重が増えても、食生活を戻せば2〜3日で元に戻る
- 多少の体重増減が気にならなくなる
糖質制限よりラクに続けられる理由
意外といっぱい食べられる
脂質制限は、糖質制限よりも多くの量を食べることができるので、食事を制限しているという実感が起こりづらいです。
どういう事かというと、三大栄養素それぞれのカロリーから考えるとわかります。
三大栄養素の1gあたりのカロリーは、炭水化物(糖質)とタンパク質が4キロカロリーで、脂質が9キロカロリーとなっています。
脂質は他の2倍以上あるんですね!
つまり脂質を制限すると、減ったカロリー分は糖質やタンパク質で補わなければならなくなりますが、単純に考えて2倍以上の量を食べなければならなくなります。
(なぜか嬉しいような…)
実際、忙しくて日中食事に時間が取れなかった日の夕食を考える際に、量が多くなり過ぎて「こんなに食べていいの?」と思うことさえありました!
主食を十分に食べることができる
糖質制限では真っ先に削らなければならない「主食」をちゃんと食べることができるのは、本当にメリットが大きいです。(もちろんカロリーオーバーするほどの食べ過ぎは禁物ですが)
ごはんを食べられるって…日本人なら理由を語るまでもなく嬉しいですよね。
うどん・そば・あっさり系のラーメンもOKです。
主食をしっかり食べたという満足感があると、お菓子やお酒などに対する欲求も自然と減っていきます。
個人的には、糖質によるエネルギーも得られますので慢性的なだるさや疲労感が減るというメリットも感じられました。
食費が浮きやすい
糖質制限をしている時と比べて、食費を節約しやすくなるのも利点として挙げられます。
自炊派の人には特に朗報です!
糖質制限だと食事メニューが肉・魚類などのおかず中心になりがちですが、おかずにかかるコストは主食よりも高い傾向にあります。
また、食べ物の種類の中で脂質を比べると面白いことが分かります。
例えば牛乳やアイスクリームなど、お店で商品の価格を比べて見るとわかりやすいですが、脂肪分が多いものほど高額なことが多いです。
コンビニのお菓子も、大福やどら焼きといった和菓子の方が、ケーキ等の洋菓子よりお手頃価格な商品が多い気がしますね。
脂質が控えめの食品を選ぶだけで家計に余裕が生まれてくるという意外な発見がありました。
過度な糖質制限がNGな理由
これまで糖質制限を続けてきて感じたデメリットについても、経験談を踏まえながら記載します。
主食をほとんど食べられない=幸福感を感じにくい
糖質制限では、炭水化物の主な摂取源である主食を少ししか食べられなくなりますので、満腹・満足感が得られにくくなります。
それは即ち幸福感を得られないということにつながります。
幸福感は「暖を取ることと、お腹が満たされること」で得られると聞いたことがあります(出典は忘れましたが…)
下記の「ストレスが爆発する」とも関連しますが、主食が食べられなくて辛いから代わりにお菓子を食べる、という愚行に及んだことが何度もあります。
これでは本末転倒ですね…
糖質を取れないストレスがいつか爆発する
糖質制限は、やり過ぎると制限の度合いがエスカレートして、それに比例するかのようにストレスが溜まっていき、結果的に逆効果を及ぼしかねません。
糖質制限を始めて最初の頃はすんなりと体重が減り、仕事をやる上でのパフォーマンスも良くなった感じがしていました。
しかし、変化を感じにくくなる「停滞期」が訪れると、疲れやすくなったり怒りっぽくなったりすることが増え、ふとしたはずみで暴飲暴食、結果リバウンドしてしまいました。
体重を減らしたいのに体重計の数値が0.1kgでも増えた時はイライラしましたし、旅行や飲み会の前などは「糖質制限だけでは対処しきれない」と焦り、断食や極端なカロリー制限をしてしまってました。
会食がしばらく無い時も、「チートデイ」と称した「痩せにくくなってるから今日だけ何でも食べてリセットしよう〜」という言い訳で、好きなだけ食べる日を定期的に設けては後悔…を繰り返す日々でした。
そしてその経験がまたストレスになる、という負の連続に陥ることになります。
後にも触れますが、これは「カロリー制限しても痩せず、かといって糖質制限しててもカロリーを元に戻しただけでも体重が増える」太りやすく痩せにくい体質になってしまう要因なのです。
脂質過多になりやすい
糖質制限を行うと、カロリーを大体タンパク質か脂質で補うことになります。
タンパク質はプロテインや鶏胸肉に豊富ですが、毎日手軽に取ろうとすると、いろんな意味で難しいと実感させられます…
反面、脂質は手軽です。(中毒性もありますしね)
私の失敗談としては「糖質制限できれば、他の栄養素は気にしなくていい!」と安直に考えてしまい、プロテインバーやナッツ等を毎日のように食べつづけた結果、職場の健康診断で脂質異常症を疑われ、精密検査を受けるはめになってしまったことがあります。
糖質制限に手軽さを求め過ぎると別の面でリスクが出てくるのは、念頭に置いておきたいところです。
まとめ:脂質制限は本来の健康的な食生活を考えさせてくれる。一生続けられる
- 主食(糖質)をしっかり食べられるので満足度が高い
- タンパク質と炭水化物(糖質)中心の食事になるので、カロリーを補うために食事量はあまり制限されず、食事制限しているという実感が薄くなる
- ストレスを感じにくく、極端な制限に及ぶことなく続けやすい。結果、健康的に痩せられ体調改善できる
私は糖質制限と脂質制限の両方を経験して、目先の効果を狙ったむやみな糖質制限は意味がない(むしろ健康に悪影響)ということに身を持って気付かされました。
そして食生活や生活習慣の改善は「一生取り組み続けられる」内容で続けていくものと学んだ次第です。
もちろん今でも脂質制限できない日が時々ありますが、全然構わないと思えています。
肩の力を抜いて、じっくり取り組めています。
興味をお持ちになりましたら、(特に糖質制限に疲れている方には)ぜひ脂質制限をチャレンジしていただければ幸いです。
糖質制限・カロリー制限のし過ぎで痩せにくい体になっているのが悩みの場合、脂質制限を始めてすぐの1〜2ヶ月は体重が増えるかもしれませんが、そこは体が生まれ変わっている時期なんだと思って割り切ってください。
(数字の増減の割に体型は変わらないものですので)
むしろ、今まで食べられなかったものが食べられる幸福感や、体調や肌質などの改善が早く始まると思いますので、そちらに目を向けていただきたいです。
すぐに成果が出なくても、頑張っている姿が素敵ですよ!
最後までお読みいただきありがとうございます。